n8n クラウド版とセルフホスト版の違い

n8n クラウド版とセルフホスト版の違いについて

単調な作業や業務を自動化できるツール「n8n(エヌ・エイト・エヌ)」について、前回解説しましたが、今回は、クラウド版とセルフホスト版の違いやメリット・デメリットについて解説します。

n8nの基本情報については、こちらの記事で解説しています。

n8nを動かすための環境は?何が必要?

n8nには、大きく分けて2つの使い道(動作環境)が用意されています。

クラウド版(n8n Cloud)

n8nが公式に運営するホスティング版で、サーバー管理不要ですぐに使い始められます。全プランでユーザー数・ワークフロー数は無制限、料金は月間のワークフロー実行回数に応じて決まります。複雑さに関わらず1回の実行を1カウントとする方式です。

n8n公式サイト(https://n8n.io/

プラン構成(年払い時の月額目安)

プラン名提供形態月額料金(年払い時の月額換算)月間実行回数主な特徴
Community Editionセルフホスト無料無制限自社サーバーやVPSで運用。コア機能が無料
Starterクラウド€24(€20)2,500回小規模な検証向け、同時実行数5
Proクラウド€60(€50)10,000回〜チーム利用向け、同時実行数20
Businessセルフホスト€960(€800)40,000回SSOやGit連携などの企業向け機能
Enterpriseクラウド / セルフホスト要問い合わせカスタム専任サポートや高度なセキュリティ機能

n8nはn8n社がドイツのベルリンに本社を置くヨーロッパの企業のため、ユーロ(€)で設定されています。最新の料金は公式サイトの料金ページよりご確認ください。

クラウド版のメリット
  • 運用負荷ゼロ:サーバー構築・アップデート・バックアップを自分で管理する必要がありません。
  • 実行回数課金の合理性:ワークフローがどれだけ複雑でも、あるいはどれだけ多くのデータを処理しても1実行としてカウントされるため、ステップ課金型のツールより使用量が予測しやすいです。
  • AIアシスタント機能:Starter/Proプランには月間のAIクレジット枠が含まれ、AIアシスタントの構築支援に使えます(Businessは自分のAPIキーを使うBYOK方式)
  • 迅速な始動:登録してすぐ本番ワークフローを動かせます。
  • チーム機能:Pro以上でプロジェクト共有、管理者ロールなど協働作業がしやすいです。
クラウド版のデメリット
  • ユーロ建て課金:為替変動で日本円換算額が月ごとに変動します。
  • カスタムノード非対応:Cloud版では自作のカスタムノードが使えません(セルフホストのみの機能)
  • 超過料金:Businessプランでは実行回数上限を超えると、30万実行の追加バケットごとに4,000ユーロの超過料金がかかる仕組みで、想定より使用量が伸びると単価が跳ね上がりやすいです。
  • データ保存先が固定:EU(フランクフルト)のみで、国内データ保存が要件になる案件には不向きです。
  • Pro以下は本格サポートなし:Businessプランはセルフサーブで、専任サポートが付くのはEnterpriseプランのみになります。

クラウド版は運用の手間がかからないが最大のメリットですが、カスタムノードが使えない点と、月々のコストが積み上がる点(Proでも年払い月額50€〜)がデメリットです。

セルフホスト版(自社サーバー型)

自分のサーバー・VPS・ローカルPCにインストールして無料で使えるバージョンです。ワークフロー数・実行回数・ユーザー数など無制限で利用できます。また、メールアドレスで登録するとフォルダ機能やエディタ内デバッグなどの追加機能も無料で解放されます。

セルフホスト版のメリット
  • コストが実行回数に左右されない:クラウド版は実行回数課金ですが、セルフホストなら実行回数の上限も超過料金もなく、無制限に実行できます。ワークフローが増えるほどクラウド版は割高になりやすいので、今後、自動化を導入したいフリーランス/小規模事業者には構造的に有利です。
  • カスタムノードが使える:クラウド版にはない、自作ノードの追加が可能です。
  • データを自社管理下に置ける:クラウド版はEU(フランクフルト)固定ですが、セルフホストなら保存場所を自分でるため社内の顧客データなどを外部のクラウドに預けたくない(セキュリティ重視の)企業に向いています。
  • VPS運用なら低コスト:メモリ2GB程度のVPSで月1,000円台〜運用している例もあり、クラウド版のStarter(月20€〜)と比べて安く抑えることができます。
セルフホスト版のデメリット
  • 運用は自己責任:バージョンアップ、障害対応、バックアップをすべて自分で行う必要があるため、技術的な知識があるスタッフや外部パートナーとの連携がないと運用が難しいです。VPSが落ちた場合の復旧対応も自社で行う必要があります。
  • ローカルPC運用は本番向きではない:24時間稼働させ続ける場合、電源が落ちた状態(スリープ・停止)ではn8nのワークフローも動作しません。また、Webhookを使う場合は外部ネットワークからアクセスさせるための高度なネットワーク設定が必要になり、セキュリティ面で気を付けなければなりません。
  • サポートはフォームベース:Community Editionには専任サポートがないため、コミュニティフォーラムなどを利用して自身で対応が必要です。
  • セキュリティ管理も自前:SSL、認証、アップデート適用など、クラウド版と違い自身ですべて維持管理する必要があります。

コスト面でセルフホスト版は非常に魅力ですが、問題なく運用できるかを見極める必要があります。最初は、設定の手間がかからない「クラウド版」で14日間の無料トライアルから試してみるとよいでしょう。

5分でできる!超簡単なフロー作成の4ステップ

基本概念

  • トリガー:ワークフローを開始するきっかけ(Webhook、スケジュール、手動実行など)
  • ノード:処理の最小単位。HTTPリクエストやSlack送信など機能ごとに用意されている
  • ワークフロー:複数のノードを繋げた処理の流れ全体

実際にn8nで「自動化の仕組み」を作る手順を「Googleフォームでお問い合わせがあったら、Gmailで自分に通知する」というシンプルな流れを作ってみます。

ステップ 1:きっかけを作る(Trigger:トリガーノード)

まずは「何が起きたらスタートするか?」を決めます。
画面上で「Google Forms」というブロックを選び、「新しい回答が送信されたとき」を設定します。これが自動化のスイッチになります。

ステップ 2:次にやることを選ぶ(Action:アクションノード)

スイッチが入った後に「何をしたいか?」を決めます。
今度は「Gmail」のブロックを選び、「メールを送信する」を設定します。

ステップ 3:ブロック同士を「線」でつなぐ

画面上に並んだ「Google Forms」と「Gmail」のブロックを、マウスでドラッグして線でピッとつなぎます。これで「フォームに入力されたら → メールを送る」という道筋ができました。

ステップ 4:内容を決めて「スイッチON!」

メールの本文に「フォームに入力されたお名前」や「問い合わせ内容」を設定し、右上の「Active(有効)」ボタンを押します。

これだけで、あなた専用の「自動アシスタント」が完成です。

まとめ:まずは小さな「面倒くさい」から試してみる

n8nの特徴をまとめると、

  1. アプリ同士を自動でつないでくれる優秀なツール
  2. 「クラウド版」ですぐに始められる
  3. 他社ツールよりも料金がリーズナブルで続けやすい
  4. 画面上のブロックをつなぐだけで、直感的に作れる

これまで「手作業でやるのが当たり前」だった事務作業も、一度仕組みを作ってしまえば、あとはコンピューターが文句も言わずに勝手に片付けてくれます。

まずはクラウド版の無料体験で、身近な「ちょっとした面倒」を1つだけ試してみるとご自身の業務に使える自動化のイメージがわくかもしれません。

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